軽いうつと引きこもりからの脱出
あそこに置いてあるティッシュ箱の中に、自分の頭蓋骨が包装されていて、取り出してみたまえと声がする。そこに有るのは、見るまでも取り出すまでもなく、それなのだから、僕はここから動かずに、じっと眺めていることにする。 しかし、箱の中を総て理解して…
映画をレンタルしていたあの頃。重たい身体とくだるお腹に耐えられず、病院に行こうと決めた。「確か、診察券はここに閉まったよな」と独り言を呟きながら探し、半分折れた診察券を財布に入れ、出発した。 人混みに紛れたり、待たされるのが嫌だったため、比…
嫌われていない。好かれている? 嫌われている。好かれていない。 嫌われていない? 好かれている。 頭の中で反芻される考えは、まるでだしを取るように増え続ける。黒い何かはグツグツと煮込まれ、さらに濃い味を作り出す。あくを取り出せば、善が増すのか…
映画を朝、鑑賞した。 言うまでもないが、映画館ではなく自宅だ。レンタルビデオ屋で借りて来たわけでもない。お昼頃に放送されていたものを録画して、頑張って布団から這い出し、見始めた。録画ができる容量の半分近くを占めているので、毎日でも見なければ…
ここ1・2週間は身体の不調が目立った。 だるさは当たり前。水を吸った衣服を着用しているような重さがあった。仕事中の比ではない。「精神と時の部屋」に入り、重力が倍になった感覚でもない。わからないが。ただ立ち上がること、歩くことを奪う辛さだ。効く…
ときに、自分と言い合うことがある。しかもこいつは私の反対の声を出す。 死にたいと思えば、生きろと言い 生きたいと思えば、死ねと言う。 誰かを憎むと、愛の大切さを説き、 誰かを愛すると、憎むべきは誰かと説く。 喧嘩のふっかけはどちらから、それは何…
父との会話の最後に、僕は3つだけ意見を述べた。 一つ 責任を感じなくていいこと。折れてしまうのは、時間の問題だった。たまたま父だっただけだ。 二つ 僕が必要としてない優しさは、お節介だということ。助けて欲しい時は、言う。 三つ 年金の申請だとか、…
仕事を辞めて、立ち上がることが出来ない僕は、布団の上を行ったり来たりしていた。 これは、8年前の再来だ。 不登校になって、高校を2ヶ月で行かなくなったあの頃と同じ。未来を考えすぎる、長所なんて存在しないんだと、吐き捨てるあの頃と同じ。単なる家…